■窓際のヒトデ


夏になる前の日だった
僕だけがそう思っていた

眠い目をこするときだけ
思い出せる気がしていた

去年の今頃は なんて考えながら
いつも過ごしてるよ

この間見た猫の夢は
多分君には言わずにおく

今日もきっと夕暮れが僕を
風の中に沈めるだろう

どうにもならないことがひとつは
あってもいいはずなんだ

徹夜明けの朝にひとり
四角い空を見上げた

来年の今頃もきっと同じように
僕は頬杖をついて

かすか遠い潮鳴りの音楽に
片方の耳を澄ませている


040527

Back to Text

Back to Home